Gaston Chiquet
シャンパーニュ地方のレコルタン・マニュピランであるガストン・シケは、元来ブドウの栽培農家でしたが、 1910年代に自分たちの畑のブドウを使ってシャンパーニュを造り始めました。「ガストン・シケ」のブランド自体は1935年に作られましたが、所有するブドウ畑を増やすため、70年代~80年代までリリースを待ちました。
現在ヴァレ・ドゥ・ラ・マルヌ地区にあるアイ、ディジー、およびオーヴィレールという卓越した三つの村に、合計23haの畑を所有しています。シャルドネ50%、ムニエ30%、ピノ・ノワール20%という比率です。気候変動の影響を受けやすいムニエを減らし、計画的にシャルドネに植え替えをしました。畑では、生産量を減らし品質の向上を図るため、より高密度の密植に取り組んでいます。土壌が豊かなディジーで、ブドウの樹(根)を競争にさらして厳しい環境で栽培するため、草を一畝毎に植えたり、銅スプレーの使用を減らすためにきめ細かな気象監視を行い、スプレー散布を最低限に抑える管理をするなど、真摯な努力がなされています。2015年に125項目の審査を経て環境への取り組みに関する2 つの認証、HVE(High Environmental Value)とSustainable Viticulture in Champagneを取得しました。 現在の生産量はわずか年間15,000ケースですが、ブリュット・トラディションというキュヴェが2013年のノーベル賞晩餐会でも使われたということからも、造り手の実力の高さを推し量っていただけると思います。フレッシュで活き活きとした果実味と、素晴らしい純粋さ、特筆すべき気品とストラクチャーを誇り、もっと高価なシャンパーニュと比較しても勝るとも劣らぬ実力があります。