2016 ゲヴュルツトラミネール・ドゥ・ロルシュヴィア、ヴァンダンジュ・タルディヴ、ローリー＝ガスマン

アルザスのオー=ランの村、リボーヴィレに近いロルシュヴィールに、1661年まで遡るローリー・ガスマン一族のドメーヌがあります。51ヘクタール（ロルシュヴィールに40ヘクタール、ベルグハイムに10ヘクタール）のドメーヌは、マリー=テレーズとルイ、そして息子のピエール・ガスマンと17人のスタッフによって運営されています。

ビオディナミの原則に従いつつ、一部除草剤も駆使しながらブドウの栽培を行い。生産量は年間平均30万本、常時4年分以上（100万本）の在庫をドメーヌ内に持つことで知られています。その在庫の多さからフランス国内の顧客が直接買い付けに来る事が多く、輸出量は全体の僅か20%と少ない。

西暦742年に初めてワインの産地として注目された250haのロルシュヴィールのコミューンは、アルザスに数多くある断層のひとつ（ブルゴーニュにある物）に位置しており、石灰岩、砂岩、花崗岩、シルトなど21種類の土壌が複雑に絡み合っています。その昔、当局が新しいグラン・クリュ・システム（1970～80年代）の一環として、ブドウ畑をひとまとめにして大規模な区画を造ろうとしたとき、村人たちは立ち上がりました。「12のロルシュヴィール・グラン・クリュを造るか、まったく造らないか」と条件を提示した結果、今日、ロールシュヴィールにはグラン・クリュは存在しない。

とはいえ、もしプルミエ・クリュの格付けが行われるなら、間違いなくプルミエ・クリュとなるであろう傑出したクリュ/リュー・ディがいくつかある。石灰岩が豊富な畑であるジルバーベルク、カッペルヴェッグ、プフレンツァーレーベンはリースリングに、ロートライベルの濃い褐色の粘土とシルトの土壌はピノ・グリに、オーベラー・ヴァインガルテンとシュテグレベンの石灰質の白い石はガスマンのゲヴュルツトラミネールに最適と言えます。

醸造は大樽とステンレスタンクで行われ、エレガントで優しく、飲みやすいワインを生み出します。

ゲヴュルツトラミネールは、フランスのアルザス地方でクラシックな品種ワインを生み出す高品質な白ブドウ品種です。

アルザスで2番目に広く栽培されており、特にヴォージュ山脈のふもとにある粘土質の土壌に非常に適しています。通常はドライで発酵され、ライチ、バラの花びら、白桃の芳醇な香りを持つ、黄金色のミディアムからフルボディのワインを生み出します。

リースリングを大きく上回る自然な糖度を達成し、このため甘口の遅摘みワインに理想的です。これらのワインは非常に甘く豊かな味わいを持ち、最良のものは数十年も熟成可能です。アルザスでは、リーフェル、ヒューゲル、ジンド・ウンブレヒトが常に最良のゲヴュルツトラミネールを生産しています。

また、ドイツ（特にラインファルツとバーデン地域）、オーストリア、イタリアのアルト・アディジェ地方、そしてオーストラリア、ニュージーランド、カリフォルニアにも少量栽培されています。ゲヴュルツはドイツ語で「香辛料」を意味しますが、このピンク色の皮を持つブドウは、香辛料のようなワインではなく、むしろエキゾチックな香りが特徴的です。