2003 バンドール・ルージュ、テールブリュンヌ

ワイナリーの創始者であるジョルジュ・ドゥリルは、パリの学校でソムリエの訓練を積みましたが、プロヴァンス、そしてこの偉大なテロワールの魅力の虜になり、1963年、後にテールブリュンヌとなる畑を購入しました。畑はバンドールの東、開けて眺めのよい地中海とグロ・セルヴォー（＝大きな脳）と呼ばれる山に挟まれた、松や樫の樹、糸杉やオリーヴの古樹が自生するのどかな情景の広がるオリウールにあります。

1941年のAOCバンドールの設立以来、この土地は高貴なムールヴェードルという品種をよみがえらせるため奔走してきましたが、ジョルジュも最初の10年を、テラスを作ったり土地を休ませたり、それから植え替えを行ったりと、畑の改善のために費やしました。重力を利用し、外気からも守られた地下のセラーが作られたのは12年後の1975年のことです。そして、1980年にドメーヌ・ド・テールブリュンヌの初めてのワインをリリースしました。醸造学校を卒業した息子のレイナルドが加わったのも同年のことです。

ムールヴェードル（スペインではモナストレルとして知られる）は、シラーやグルナッシュ（スペインではガルナチャ）の一般的なブレンドパートナーです。オーストラリアやカリフォルニアでは「マタロ」という別名で呼ばれることもあります。

フランスにおけるムールヴェードルの本拠地はバンドールであり、赤ワインのブレンドにおいて主要な品種として使用されます。ここで造られるワインは、旨味のある野性的な風味やハーブのニュアンスを持つのが特徴です。また、南ローヌ地方やラングドック＆ルーションのブレンドにも広く使われています。

このブドウは暖かい気候で十分に熟す必要があり、スペインでは南東部の地中海沿岸（ムルシア、フミーリャ、ブリャス）が主要な産地となっています。ここではロゼワイン、辛口の赤ワイン、甘口の酒精強化ワインが造られています。モナストレルはスペインのワイン史において重要な役割を果たしており、濃い色調と力強いタンニンを持つ、時には圧倒的なまでの凝縮感を備えたワインを生み出します。