2020 シャトーヌフ=デュ=パプ・ルージュ、シャトー・ラ・ネルト

南ローヌ地方で最大かつ最も重要なアペラシオンであるシャトーヌフ・デュ・パプ（Châteauneuf-du-Pape）は、3,200ヘクタール以上のブドウ畑と80以上の生産者を誇り、北ローヌ地方全体の生産量を超えるワインを生産しています。豊かな赤ワインは、南の暑さとハーブの香りが感じられ、その複雑さは、グルナッシュ（Grenache）、ムールヴェードル（Mourvèdre）、シラー（Syrah）を含む14種類の許可されたブドウ品種をブレンドすることで高まります。

シャトー・ラ・ネルトは、500年の歴史を誇る、近年注目を集めつつあるシャトー。1998年から有機栽培に取り組んでおり、様々な土壌、異なる標高に及ぶ57の区画から、滑らか且つ複雑なシャトーヌフ・デュ・パプが造られています。畑とセラーの両方で細心の注意が払われる中、非常に印象的なワインを生み出されており、間違いなくシャトー・ド・ボーカステルに匹敵するレベルと言えるでしょう。ワインメーカーのレミ・ジャンはワイナリーのテロワール同様にカリスマ性溢れる人物で、数多くの区画を深く理解し、細部にまで気を配っています。

シャトー・ラ・ネルトの傑出したテロワールは、毎年、美しいワインを生み出します。岩質、粘土質、砂質の土壌に自然の湧水が加わり、ワインに素晴らしいフレッシュさとミネラル感を与えています。レミはグルナッシュが赤ワインに 「魔法 」をかけ、ムールヴェードルが複雑さを、シラーが骨格を与えると言う。白のトップキュヴェ、クロ・ド・ボヴニールはその名前の通り、その歴史的なシャトーの目の前に位置する古城の壁に囲まれた庭、単一の区画から造られます。

南ローヌ地方のワインの大多数はブレンドです。主に5つの黒ブドウ品種が使われていますが、他の品種も使用されており、この地域で最も有名なワインであるシャトーヌフ・デュ・パプは、13種類もの異なる品種で作られることがあります。グルナッシュは南ローヌで最も重要なブドウ品種で、アルコール、温かみ、優れたジューシーな果実味を提供し、ブレンドの基盤となる理想的な品種です。近年、南ローヌでのシラーの栽培面積は劇的に増加しており、ブレンドにおいてますます重要な要素となっています。北ローヌほどの高さには達しませんが、色、骨格、タンニン、そして柔らかく熟した果実をブレンドに加えます。

しばしば評価が低いカリニャンは最近後退していますが、依然として多くのブレンドに含まれており、最良の古木は色、ボディ、スパイシーな果実を加えることができます。シンサウは後退しつつありますが、収量が制限されていれば、適度に色づき、赤ワインやロゼワインに軽やかな果実味を加えることができます。最後に、バンドール地方の地中海沿岸から来たムールヴェードルは、最近南ローヌのブレンドにおいてますます重要な役割を果たすようになっており、完全に熟すのが難しいことがありますが、酸味、熟したスパイシーなベリーの果実、タバコのニュアンスをブレンドに加えることができます。